セグメンテーション

セグメンテーションは、マーケティング戦略の一環で、市場を複数の小さなグループに分割することを指します。それぞれのグループは、特定のニーズや属性を持ち、異なる商品やサービスに対して異なる需要を持っていると考えられます。

この概念を、果物の市場に例えることができます。果物市場には、りんご、オレンジ、バナナ、パイナップル、グレープフルーツなど、さまざまな種類の果物があります。それぞれの果物は、味や香り、価格などによって異なるグループに分けられることができます。

たとえば、オレンジは酸味があり、ビタミンCが豊富で、健康に良いというイメージがあります。一方、バナナは甘味があり、炭水化物やカリウムが豊富で、スポーツ選手や運動家に人気があります。パイナップルは酸味と甘味があり、消化酵素が豊富で、ダイエットや美容に効果的とされています。

このように、果物市場をセグメンテーションすることで、顧客のニーズや好みに合わせた商品を提供することができます。たとえば、スポーツ選手や運動家向けにはバナナを、ダイエットや美容を意識した人向けにはパイナップルを、健康や風邪予防を意識した人向けにはオレンジをアピールすることができます。

このように、セグメンテーションを行うことで、企業は市場の偏りや傾向を理解し、ターゲットとなる顧客をより正確に把握することができます。それによって、商品やサービスの開発や広告、販売促進活動などの戦略を適切に調整し、より効果的なマーケティングを実現することができるのです。

「細分化、分割」という意味です。

全てのお客さんが同じものや同じサービスを欲しがっているわけではありません。
それぞれのお客さんがそれぞれのものやサービスを欲しがっているのです。

つまり、全てのお客さんに対して同じ営業や提案をしても、お客さんのニーズがそれぞれ異なるため、当然うまくいかないということです。

みなさんも欲しくないものを勧められたとき、そんなもの買いませんよね。それだけならまだしも、しつこく勧められた場合、その勧めてくる店員やお店のことを嫌いになるかもしれません。
お店側からすれば、店員に安くない給料を払って、わざわざお客さんを減らしているようなものです。そんなのばかばかしいですよね。

もし、お客さんのニーズがわかっていて、お客さんのニーズに合った営業や提案をすれば、お客さんの欲しいものやサービスを勧めることができます。そうすれば、お客さんがそのものやサービスにお金を払ってもいいと思う確率って、全くお客さんのニーズを無視した場合より、当然高くなりますよね。ですから、お客さんのニーズをいくつかに分けてグループ化し、そのグループごとに商品・サービスを提供すれば、自ずと売上が上がってくると思いませんか?

消費者(最近では消費者のことを生活者というので、次からは生活者と書きます。生活者=消費者だと思って下さい)がいる市場をグルーピングし、同じようなニーズを持っているだろうと考えられる人々をそのグループごとに分割(セグメンテーション)することが、効率の良いセールスをする上で非常に重要です。

ここで、魚釣りを例にとってセグメンテーションについて考えてみましょう。

魚釣りで使うエサを商品に、魚を見込み客(顧客になる見込みのある客)に例えます。そして、魚を釣り上げる=商品を売るということにしましょう。

魚はエサを食べますが、魚にも好みがあるので、釣りたい魚によってエサを変えないといけません。生きたエサが良いのか、ダンゴエサが良いのか、疑似餌(ルアー)が良いのか、どのエサに魚が食いついてくるのかを考えなければなりません。さらに、エサの種類が色々あるので、どれにしようか迷ってしまいます。しかし、魚の種類をグループ化することにより、どのエサを使えば良いのかがわかってきます。釣りが好きな方は何度も釣りに行っているので、「今日は○○を釣りに行くから、エサは△△を持って行けばいいな」とか、「○○を釣りに行くけど、もしかしたら□□も釣れるかもしれないな。よし、エサをもう1種類増やして××も持って行こう」「来週釣りに行く場所の魚は◎◎のエサでよく釣れるな」と自然と頭の中に浮かんできます。

では、釣りに行ったことがない人はどうすれば良いのでしょうか?そうです、ここでセグメンテーションが使えるのです。釣り新聞や釣り雑誌には、釣れた魚とその時使ったエサが載っています。このデータを基にして、釣れた魚とどのエサで釣れたのかを分析し、グルーピングしてみましょう。

そうすると、魚の種類によって使うべきエサを分類することができるのです。こうすることにより、釣れる魚に合ったエサがだいたいわかってきます。そして、釣りたいと思う魚に合わせてエサを買いに行けば良いのです。これで魚がいるのに全く釣れないということがなくなります。

・・・と言いたいところなのですが、実際、釣りというものは奥が深く、準備万端で行っても釣れないことがあるのです。わたくしも、1匹も釣れなかったことを何度か経験しています。1匹も釣れなかったことを釣り用語で「ボウズ」と言うのですが、ボウズの時は、はっきり言ってへこみます。釣りのセンスがないから釣れないのでしょうか・・・。まあ、こういうこともあるのですが、それは釣りの腕や天候のせいにしておきましょう。

みなさんが釣りのセンスもあって、その日は雨も降らず良い天気だとしたら、やはり、釣れるエサを使った方が、何も考えず適当に買ったエサを使うよりも、はるかに釣れる気がしませんか?これがセグメンテーションの威力なのです。

市場には様々な人がいます。そして、それぞれが「あれが欲しい」「こうして欲しい」と思っているのです。そのニーズはとても多様です。しかし、似たような嗜好や趣味を持つ人は、似たような商品・サービスを欲しがりますよね。類は友を呼ぶという諺があるように、趣味が合うとなんとなく気も合うので、趣味が同じ人同士集まる傾向があります。みなさんの周りにも、嗜好や趣味が同じだという人がいませんか?

ここで注目すべき点は、お客さんのニーズは性別や年齢、所得、職業、または地域性によってセグメンテーションできるということです。

20代でも男性なのか女性なのかで嗜好や趣味が違ってきますし、同じ20代の女性でもOLなのか専業主婦なのかで違ってきます。また、その人が東京に住んでいるのか地方に住んでいるのかによっても違いが出てくるでしょう。

ですから、生活者を性別や年齢、所得、職業、地域性別にニーズをデータ化し、それを基にセールスしていくことが大切です。

つまり、生活者のライフスタイルにマッチしたセールスをする必要があるのです。そうすることで、生活者が欲しいと思うような商品・サービスを適切な方法で提供できるようになるのです。その結果、お客さんのニーズに合わせたきめ細かい対応ができるようになり、お客さんの満足度が向上します。

さらに、ピンポイントでセールスができるので、余分なコストが減り、ヒト・モノ・カネという経営資源を有効に活用できるようになります。

お客さんもニコニコ、会社もニコニコで、まさに一石二鳥です。


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